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卓球で技術よりも大事な「考える」こと。戦略思考入門編

更新日:2021年6月9日

勝つための道筋を考える


スポーツは色々奥が深いですが、単純化すると「ゲーム」であると言えます。実際に卓球でも「3ゲーム先取」のように、ゲームという言葉を使いますよね。守べきルールがあり、相手がいて、最終的に勝敗を決める、それがゲームです。ではゲームに勝つために最も大事なものは何でしょうか?答えは「勝つための戦略です」。頭脳ゲームの代表といえば将棋や囲碁、チェスなどが挙げられますが、それらの名人は数百手先までを読んで、勝つための様々な可能性を考慮しながら一手一手を打ち進めていると言われています。実は卓球も「100m走をしながらチェスを打つようだ」と言われているスポーツです。つまり早く走ることも大事であると同時に、勝つための思考をすることも大事になってきます。確かに技術の練習はとても大事でベースとして習得しないといけないことです。ただ、技術ができたからといって必ず勝てるとは限りません。なぜなら、その技術の使い方がわからないと点数には結びつかないからです。そこで今回は試合で勝つために普段から実践しておきたい2つの思考に関してお話をします。


勝つためには常に「試合を意識する」


よくコーチに「本番だと思って練習をしろ」と言われることってありますよね。

世間一般では精神論のように捉えられてしまっていますが(実際これをおっしゃっている方の多くは精神論的な観点から発していると思います)実は試合本番で勝つためにとても重要な考え方なのです。具体的には「①自分の自信をつける」「②相手を攻略する」という二つの観点でとても重要です。


①「思い通り」が自信につながる

練習ではできるけど試合の時にうまく発揮できなくなるという経験をされた方は多いと思います。よく原因はメンタルの弱さである、と言われることが多いと思いますが、実は本当の原因はそれだけではないのです。本当の原因は「試合中の想定外が多すぎる」ことなんです。試合でうまく発揮できていない時のメカニズムは「戦ったこともない、情報もない相手と対峙する」⇨「具体的に相手とどう戦うかがわからない」⇨「自信がない」⇨「思い切ったプレーができない」というものです。練習でもやったことないことを無理に本番でやろうとしても、具体的にどうしていいかわからない。どんなボールが返ってくるのかもわからない。そうすると自分のプレーに対して自信を持つことはできませんよね。その結果、本来練習ではできていたはずのプレーもできなくなってしまいます。これを防ぐためには、「試合だったらどうするだろう」ということを常に意識することが大事になってきます。普段技術の練習をする時に、それを試合でどう使うかを意識して練習をしていれば、試合になった時に練習の通り発揮するだけで試合を進めることができます。そうして自分の思い通りに点数が取れることは大きなプレッシャーがかかる試合において、強い自信につながります。


②自分の「得意」で相手の「苦手」を突く

みなさんご存知のように、試合では自分の得意な技術や戦術で相手の苦手なコースや技を攻めることで、相手に勝利する確率が上がりますよね。そのためには「自分の得意なもの

と「相手の苦手なもの」の二つを把握することが大事です。自分の得意なものを把握する方法は、練習や試合の時、自分がよく点をとっている技術や勝ちパターンは何かを考えることです。一度自分の得意なものを把握したら、そのパターン、技術を使うときは確実に点を取れるよう練習を重ねましょう。一方で相手の苦手なものを把握するにはどうすればいいのでしょうか?答えは「相手の情報をもとに推理する」ことです。今まで対戦したことのある選手や、どこかでその選手の試合の映像がある選手なら、そのビデオを見て分析して、対策を練る。試合の映像といった情報が手に入らない場合は自分が今まで見てきた戦型から推測する方法が挙げられます。普段練習する時から仲間の選手の特徴を覚えて、対策も意識しながら練習すれば、普段の練習のなかで様々な戦型に対する対策ができます。そのため試合中に対戦相手の戦型さえわかれば、練習の経験に基づき仮の作戦を立てることができます。あとは試合中に修正していき、臨機応変に対応することで、相手の弱点を見極め、そこを攻めていきます。


勝利までの道のりを考える

今回は考えることに関して解説しました。考える以前に皆さん意識していただきたいのは「目的」です。考えることはあくまで現状と目的をつなぐ道筋を描くことで、明確な目的がなければ道筋を描くこともできません。試合で勝つことが目的であれば、技術の習得だけで満足しないで、その技術を使って試合で得点するにはどうすればいいかまで考える必要があります。コロナ禍でなかなか思うように練習時間を取れないことが多い状況の中、ぜひ考えることを意識して、短い練習時間を効率的に活用して勝利へと近づいていきましょう。

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​投稿者プロフィール

​鄭 慧萍

HP「鄭 慧萍 [日本名:高林慧]」.jpg

元中国代表・ニッタク契約コーチ

 

大正大学卓球部コーチを経験しインカレ優勝、関東学生リーグ一部優勝、全日本選手権女子シングルス準優勝​に導く。

その後アテネ五輪予選、北京五輪、世界選手権横浜大会​において福原愛を指導。

現在はTTC浦和ニッタク本社、関東地方でも精力的な講習会活動を行う。

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